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明日もいつも通りに  

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今までの人生で一番嬉しかった日 Ⅰ

8月14日が息子の誕生日。

今年はついに10歳になった。
「ふた桁になった~」 と本人は喜び
「あれから10年か…」 と産んだ私は感慨深い。 

人生で初の、そして最後の出産になったあの日。
一度きりだからこそ、これほど鮮明な記憶は他にない。
まるで昨日のことのような 思い出。     

         
95年11月11日に結婚した私達。
知り合ってから 5ヵ月後のスピード結婚だったこともあり
1~2年は二人で楽しくきままに過ごそうと話し合っていた。

な ・ の ・ に …!!!
結婚式の翌月、来るべきものが来ない。
検査薬を買いました。

ビンゴ。妊娠です。

妊娠初期はつらい記憶しかない。
それは、『つわり』 。

ニオイというもの全てがダメだった。
食べ物の匂いだけではなく、
湯気もダメだった。
よく聞く『ごはんの炊ける匂い』 あれがあんなにイヤなものだったとは。
あと、コンビニの匂い。(おでんの季節だったからか)
すれ違うおじさんの整髪料の匂い。
お風呂あがりの夫のシャンプーの香りすら 
「ごめん、近寄らないで~」
自分がお風呂に入ってても 湯気でムカムカ
シャンプーしながら香りでムカムカ。

とにかく一日中、吐き気との戦い。
船酔いのようにとにかくずぅーっと気持ち悪い。
寝たきりのような毎日。
当然食欲はなく。
でも空腹はもっと気持ち悪いから
なんとか食べれる みかんや野菜ばかり食べていた。

なぜかすごーく食べたかったのは マックのポテトとポテチ。
すごぉーく飲みたかったのはコーラ。

もちろんどちらも妊婦にはおすすめできない。
「はじめての妊娠」 なんて本を読むと
そのテのことが山ほど書かれていて
夫にうるさく禁止されていた。
(かくれて食べてたけどね、ポテチ。)

1日10本には満たないタバコを吸っていた私だが
当然、そんなもの吸う気にならず 即やめた。
 (産後7ヶ月で復活しちゃったケド)

結婚して初めてのお正月には義母が
たくさんご馳走を作ってくれたのだが
どうにも受けつけず、嫁としてはサイアクの態度?
「すみません。食べられません」

そんなこんなでものすごーく長く感じた悪阻の日々であったが
安定期に入ると、少しづつ薄れていき
やっと妊娠を喜べる心境に。

お腹も出てきて、胎動を感じると 赤ちゃんがいるんだ~と実感。
マタニティー服を夫が買ってきたりなんかしてたっけ。
たま○クラブ とか マタ○ティー なんて月刊誌も隅から隅まで読み
とにかく興味の対象は 妊娠、出産、赤ちゃん のことばかり。

予定日が近づいた頃、気づけば17キロも体重が増加していた。
そりゃそうだ。
つわりがなくなったら食欲もすごくて
ちょっとは気をつけていたつもりだったが、そんなことに。  


今にして思えば、その体重増が
出産で地獄を見た原因でしょう…。


さてさて。
8ヶ月健診で性別がわかった。
私ら夫婦は性別を知りたい派だった。
夫の希望は「女の子!!ぜったい女の子!!」
私は「いーや。男の子がいい!!ぜーったいに男の子!」

超音波で見えたのは。
きゃわゆい おちんちん !
やったー!男だ!!

予定日が近づいてきた。
すでに腹囲は100センチ超え。
年配の方々は「これは男の子だね」と確信するような
いわゆる高い位置で突き出たお腹。
もう苦しくて苦しくて、早く産みたかった。
でも一方で。
こんなのがここから出るわけ???
ほんとに 鼻からスイカだよぅ。
無理だってば。
日に日に怖くなってきた。

いかにもな初産の妊婦さんの心境。
陣痛で来るのかな。
破水から始まるのかな。
ドキドキ、ハラハラ。

入院のしたくはとうに出来ている。
ベビーベッドだってもう用意万端。
あとは生まれるだけだ。


96年8月12日。(予定日は8/14)
なにやら 流れ出る感触で目覚めた。まだ朝の5時半。
破水だ!!!
生まれるんだ・・・。

待ちに待った日のはずなのに、いざとなると怖くて震えが止まらない。
これからどうなるのか、知らない世界へいざなわれるのは怖い。

6時半。
夫に付き添われ、入院。
でも夫は出勤しなければならない。
「きっと今日中には生まれるね」 と 話し合って見送った。

ところが、そう簡単には 生まれてくれなかったのだ。

                                  つづく 
by ckana-ex | 2006-09-19 23:44