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明日もいつも通りに  

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今までの人生で一番嬉しかった日 Ⅲ

8/12朝、破水で入院したが
そのときはまだ陣痛もなくいたって普通だった。
病室でウキウキしたりしてた。
ただ、緊張と興奮で 出された食事は受け付けなかった。
(後から思えば…食べておくべきだった)

午後になって義母が義姉と面会に来てくれた。
「きっと心配で仕事どころじゃないだろうね~」と
出勤した夫を気遣って
義姉がこっそり携帯を貸してくれた。
病院内は携帯電話禁止!なのは重々承知だが
トイレでこっそり電話をかけた。

「もしもし、パパ?まだ生まれないんだよ~。気配も無いよ」
「そうなの?オレ仕事が手につかないよー。」

夕方になり、やっと しくしくと陣痛?らしき痛みが始まった。
でもまだまだ余裕。
痛いときだけ ちょっと顔をしかめる程度。

夜になって夫が病院へ。
「明日からちょうど夏季休暇だから、今日はこのまま居るよ」
8/14の出産予定日に合わせて13日~休暇を取っていた。 
義姉が帰ったあとも義母は残ってくれていた。
きっと夜のうちに生まれると思っていたんだろう。

けれど。
このときはまだ 登山でいうなら5合目にも来ていないことを
誰も想像していなかった…。

夜になり、陣痛も増してきて
陣痛室に移動となった。
あぁ、きっともうすぐだ。
と、そのときは思ったのだが。

そのS総合病院の産婦人科。
今現在は改善されたか知らないが
当時は 『立会い出産不可』 『母子別室』 など、病院側が主導の産科であった。
当然、陣痛室には本人以外は入れない。
夫は義母と共に待合室で待つしかない。

夜中になり、陣痛はかなり激しくなっていたが
ときおりの診察では
「まだまだね。子宮口はまだ3センチ。」
えーっ・・・。じゃあ朝になっちゃうのかな。
そのうち私もウトウトしはじめ、陣痛は少し遠のいたりもしていた。

「寝ちゃうと陣痛は遠のくのよ。まぁでもまだまだ。子宮口は全然だから」
助産師さんのあっけないお言葉。
まだまだ、なの…?(涙)
ウトウトはしても痛みで目が覚める。
その繰り返しをしてるうちに・・・夜があけた。(13日になった)

夫と義母は結局、待合室で夜を明かしてしまった。
本当に申し訳ない。
私は子宮口を少しでも開かせようと 病院内の階段を昇り降りしたり
廊下を行ったり来たり。
痛みが襲ってきたときにはうずくまって待避。

待合室の夫のもとに行っては泣きついたりまでしていた。
「こんなに痛いのに生まれないなんて、なんで~??」
「がんばれ。がんばれ。」
夫はオロオロしながらも、何も出来ない。
腰をさすってくれるのだが…これが下手。
逆に痛いのだった。

もう外来が開く時間。
待合室には診察待ちの妊婦さんがたくさん。
そんな中でヒーヒー言いながら夫に泣き付く私。
「パパ、もう帰りたいよぅ。今回はとりあえずパスして出直すよ…」
「う、うん…。そんなことが出来るんだったらね・・・」
見ている妊婦さんたちは、さぞかし怯えたことだろう。

そんな状態のまままた夜が来た。2晩目である。
思えば、入院以来なにも食べていない。
食べるどころではない。
数分おきに陣痛が襲う。
なのに子宮口はまだだから、と言われる。

・・・思い返せば。
出産近くなってからの健診のとき。

「うーん。子宮口は1ミリも開いてないなぁ。」と先生。
だから何なのか、初産の私には意味がわからなかったが
「もういつ生まれてもいいくらい胎児は育ってるんだけど
 全然降りてないしね…」

    確かに色んな本によると
    「出産が近くなると、胎児が降りてくるので胃がすっきりしてくる」
    などと書かれてあったが
    そんな自覚、全く無かった。
    胸の真下から突き出たお腹。
    胃は常にムカムカと胸やけ状態。

「レントゲンを撮りましょう。胎児の頭が骨盤より大きいかもしれない。」
「えっ?もしそうなら…?」
「そうなら”帝王切開”だね」

ひぇ~~~っ!
今の今まで自然分娩するものと思ってたのに???

だが、レントゲンの結果は
「大丈夫。自然分娩で行けるでしょう。でも…降りてないんだよね。
 この子はお母さんのお腹にずっと居たいのかなぁ」
と先生は苦笑していたが。
以来、毎週 ”子宮口をやわらげる注射”というのを打つハメに。
でもビクともしなかったんだな。これが。

体重の増えすぎで産道に脂肪がいっぱい付いていたのか
それとものんきなベビーちゃんがさっぱり
そろそろ出るよ~の指令を出してくれなかったのか。

ともかくも私の初産ドキュメントはまだまだ続いてしまうのだった(笑) 
by ckana-ex | 2006-09-23 22:32